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Thousand Sound (千音)が発表したばかりのTS853を簡単にレビューいたします。こちらのモデルは、TS842の上位機種になり、ハイブリッド・カスタムIEMになります。

Thousand Sound (千音)の紹介:

 本題のTS853のレビューに入る前に、Thousand Sound(千音)さんについて、少々紹介します。

Thousand Soundさん(以後、千音さん)は中国に拠点を置くカスタムIEMメーカーです。おそらく千音さんは、アジアに拠点を置く他のカスタムIEMのUMさんやRoothさんと比べると、その知名度は低いように思われます。ですが、千音さんのカスタムIEMを製作技術は、これらの代表的なメーカーよりも劣ることは、まったくないように考えます。個人的な経験になりますが、この1年間で、千音さんに6回ほど注文しましたが、どれもとても満足の行くものでした。

千音さんの製品ラインナップには、デュアルドライバのハイブリッド・カスタムIEM、TS842があり、これは、ハイブリッド・カスタムIEMとしては最古参になるそうです。このTS842についてレビューは、ネットに既にいくつかあり、かなり好意的な評価になっているようです。

さらに千音さんの別のサービスに、IEMのリモールドがあります。特に、千音さんはEtymotic ER4をリモールドしてくれる数少ないメーカーになります。


このEtymotic ER4のリモールドについて、当ブログに記事がいくつかありますので、よろしければ、そちらも御覧ください。

ということで、そろそろ本題、千音さんの最新ハイブリッド・カスタムIEMの話に戻ります。この5月中旬に千音さんから、新しいハイブリッド・モデルの開発に取り組んでいるとの連絡がありました。その後しばらくして、今回のモデルの番号は、TS853であることも分かりました。

それから、約1ヶ月たった頃に千音さんから、注文を取る準備ができ、価格はおよそ$ 800(ケーブルと送料は含まず)との連絡がありました。その知らせを聞き、すぐに先方に当方の耳型を発送、わずか3日で日本から中国の千音さんに到着しました。それから待つこと約5週間で、TS853が当方に到着したのが、この8月でした。



パッケージングおよびケーブル:

TS853には、飾り気の全くない黒いクラムシェル型のケースとクリーニングツールだけが付属しています。ケーブルの方は含まれていません。こちらは別途料金になります。


UMさんや他のメーカーと比べると、千音さんのケースは、少々物足りない気が正直しますが、発送の際の梱包は十分にされているので、これはこれで良しという感じです。(ただ、せっかくの買い物なので、音質に関わらなくても、できるだけ綺麗なパッケージングの方が嬉しいのですが。)

シェルの品質:

千音さんのカスタムIEMのシェルを作る技術は、かなり優れているように思います。気泡など、目に見えるような欠点はとくに有りません。好みにより評価が別れるかもしれませんが、シェルの光沢は非常に綺麗です。次にシェルのフィットの方ですが、こちらも良好です。今までに何度か千音さんに注文していますが、フィットに関するトラブルは有りません。とくにタイトすぎることも、緩すぎることも有りません。長い期間にわたって耳につけても不快感はとくに無く、着けたままで、寝込んでしまうこともあるくらいです。




唯一の難点は、他の主要なカスタムIEMメーカーと比較すると、シェルの色の選択肢があまり多くないことです。今後こちらの点がこ改善されることを期待しています。

設計 - かなりユニークなドライバー構成:

モデル番号のTS853からも分かるのですが、千音さんの今回のモデルは、ドライバーを5個使用するハイブリッドで、もちろん、そのうちの1つは、ダイナミック型になります。また、ドライバーとカナルを接続する管は3つあり、さらに、ダイナミック型ドライバーとつながるベント用の管が1つあります。


 今回のモデルが、5ドライバーのハイブリッドになると千音さんから最初に話があったときは、すでに他のメーカーから出ている5ドライバーのハイブリッドと同じようなドライバーの構成になると思ったのですが、最終的なものは、私の安直な予測とは全く異なっていました。今回のTS853で、とくにユニークなのが、このドライバーの構成そのものと言えるかもしれません。

すでに市場にでてきる5ドライバーのハイブリッド・カスタムIEMが、内4つのドライバー(BA型)を中高域用に、そして残りの1つになるダイナミック型ドライバーを低域用にしています。これに対して、TS853は別の手法に出ています。つまり、高域と中域のそれぞれに、BAを1つ、合計2個のドライバーを充て、残りの3つのドライバー全てを低域に充てます。要は、ダイナミック型1つに加えて、BA型も2つ低域に使用するわけです。多少乱暴な言い方かもしれませんが、音域全体に渡りハイブリッド化するのではなく、低域だけを重点的にハイブリッド化する手法を、千音さんは採用したことになります。そして、個人的な感想では、この手法が功を奏しているように思います。

そのダイナック・ドライバーは、千音さんで開発した8mmのドライバーになり、TS842に使用されるものと同じとのことです。そしてBA方式のドライバーに関しては、特定のパーツ番号等は不明なのですが、千音さんによると、JH13と同じものを使用しているとのことでした。

現時点で当方が知り得たTS853のスペックは以下のとおりです。

インピーダンス:15Ω
感度:118db(1MW)
クロスオーバー:3 way

音質:

これより先をお読み頂く前に、ご了承いただきたいこと2つほどあります。

当方、そんな優れた聴覚を持っているわけではなく、したがいまして、以下の音質についてのレビューは、個人的なものであり、聴覚の優れたユーザーがお聴きになると、まったく異なった印象になる可能性がありますので、その点お許し下さい。

加えまして、当方が所有するハイブリッドIEMは、今回のTS853のみで、他に比較するハイブリッドIEMを持っておりません。したがいまして、かなり偏ったレビューになる可能性もあります。

以上2点をご理解の上、以下のレビューをお読みください。

ハイブリッドIEMということで、かなりボリュームと迫力のある低音を望んだ場合、TS853は、少々期待外れかもしれませんし、そのような低音をお望みの場合は、もっと良い選択肢が他にあるかと思います。その代わりに、TS853の低音は、BAドライバーだけのIEMと比較すると、かなり多めなのですが、ただ低音がガンガン多く出ているのではなく、とても制御の効いた低音を奏でてくれます。

正直なところ、私自身は、実際にTS853を聴くまでは、とにかく強力な低音が出るのだろうと予測していたのですが、良い意味で予想を裏切られた感じです。上に重複するのですが、TS853の低音は、とても豊かであると同時に、かなり詳細にわたり繊細に再生してくれます。手元に、UMさんで3ドライバーにアップグレードしてもらったSennheiserのIE8があるのですが、これと比較した場合、


TS853の方が、低音の豊かさと繊細さの両面で優れている印象を受けました。これは個人的な憶測なのですが、TS853では、低音にダイナミック型だけでなく、BA型のドライバーを割り当てた成果だと考えます。ダイナミック・ドライバーで豊かな低音を確保し、2 つあるBAドライバーが低音の繊細さを確保しているのかもしれません。

ここからは中音域と高音域に話を移します。上でTS853の制御の効いた、しかも豊かな低音のことを書いたのですが、この機種では、中高域も低域に負けず、かなり鮮明に聴こえてきます。少なくとも豊かな低域のせいで、中高域が、一歩後退して聴こえるような感じは、私にはありません。実際のところ、中音域と高音域も、とても繊細な音質で、とくに女性のジャズ・ボーカルなど聴いた際は、かなり良い感じで再生してくれます。手元に千音さんでリモールドしてもらったEtymotic ER4があるのですが、これと比べると、


確かに、TS853は、中高域で、繊細さというか精確さに関して劣る印象を受けますが、ただその違いは、私には、かなり僅かなものである気がします。

次に、TS853の音場ですが、これはかなり高い次元にあるという印象を受けました。当方、オーバーイヤーのヘッドホンのユーザーではないため、その種のモデルと比較することはできないのですが、TS853は、IEMとして、かなり広い音場を確保できているように思います。前後方向の広がりもあるのですが、とくに左右方向の広がりがあるようです。

最後に:

上記のように、既に市場に出ているTS842と同様に、今回、千音さんが発表したでTS853も、かなり良い出来のハイブリッドIEMだと思われます。確かに、とにかく低音のガンガン響くモデルを好きなユーザーには、あまり向いていないのですが、中高域を綺麗に再生し、低域を、適度のボリュームを保ちながら、且つ繊細に奏でてくれるのがご希望の場合、今回のTS853は、かなり面白い選択肢ではないでしょうか。多少大げさな言い方をすれば、ソファーにゆったりと座り、リラックスして、好きな曲を楽しんで聴くのに、TS853は非常に向いているように私は考えます。

TS853の音質そのものでないことで、個人的な考えを少々書かせて頂きます。最近、市場にハイブリッドIEMが、カスタム、ユニバーサルの双方でかなり増えてきているようですが、そのハイブリッドの方式は、製作者により異なり、大きく分けて、次の2つがあるように思います。1つ目には、おそらくこちらが主流になるのですが、UMさんやRoothさんが採用しているタイプのハイブリッド、つまり、低域にダイナミック・ドライバーだけを充て、中高域にBAドライバーを充てる方式があります。こちらの主流派をストロング・ハイブリッド方式とするならば、2つ目で、且つ少数派は、今回の千音さんがTS853で採用した、マイルド・ハイブリッド方式になるように考えます。このマイルド・ハイブリッド方式では、中高域は、BAドライバーだけなのですが、低音には、ダイナミック型とBA型のドライバーの双方を充てる形になります。私の誤解でなければ、今回のTS853により、千音さんは、ハイブリッドIEMの新しい方向性と可能性を示したのかもしれません。

 

最後になりますが、今回当方が入手したTS853自体について少々書かせ頂きます。千音さんが制作したTS853は、今(2012年8月)の時点では2つだけらしく、その1つを当方に提供していただきました。これから、このTS853が市場に出回ることになるかと思うのですが、もしかすると、今回私が入手したモデルは、初期型ということで、これから出回るものとは音質が異なる可能性があるのかもしれません。TS853の購入をお考えの場合は、上記の点をご留意いただければと思っております。

 

以上、千音さんおTS853のレビューでした。

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Comment
以前、Thousand SoundのTS842の購入の際はお世話になりました。

m34(旧Kです)

このモデル久々に興味がわきました。
面白いドライバ構成ですね。

まだ価格や中のドライバの詳細などはでてないんですよね?
  • m34
  • 2012/08/21 20:21
お久しぶりです。

お手元のTS842はどうでしょうか? できれば当方もTS842をと思っており、もしよろしければ、ご感想をお聞かせいただけると嬉しです。

話が前後いたしましたが、ご質問のTS853の方ですが、先週までの話ですと、千音さんの方で製作したTS853は、私の手元のものを含めて、まだ2つしかないそうですので、したがいまして、当方が把握している情報が、これから何らかの変更があるかもしれません。その点をご了承の上、以下をお読みください。

価格の方ですが、ケーブル、送料を含まず、800米ドルになります。BAドライバーの方は、knowlesだけで、詳しい番号等は知らされておりません。ただ、上の記事にありますように、JH13と同じ物になるとのことでした。

話はそれますが、ここのところTS853ばかり聞いています。SennheiserのIE8をUMさんでアップグレードしたIEMも手元にあるのですが、ハイブリッドIEMがこんなに面白いとは思っていませんでした。上に重なりますが、TS842もできるだけ早く入手してみたいものです。
  • e-butler
  • 2012/08/22 00:43
TS842いいですよ。私のレビューはこちらでアップしてます。http://earphonespiral.blog.shinobi.jp/Entry/62/

TS842はUMやJHのように耳障りな音が一切なく、非常に聞きやすいのに、低音が迫力があるというモデルですね。EtymoticResearchのER-4の中高域にダイナミックの低音をプラスした感じです。
ただし、すこし上方向への空間の狭さを感じます。

TS853買いそうですw。ドライバ構成が面白すぎる。低音に3つなんて(笑)
  • m34
  • 2012/08/22 06:28





   
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